女性の活躍を促すためには?Women's Conferenceでの学び
今日はWomen's Student Association主催の「HBS Dynamic Women's Conference」に参加してきました。テーマは、
Driving Change Together
ビジネス界でこれまで様々な変革をもたらしてきた女性リーダー達を称えると共に、今後どのようにして男女平等を実現していくのかを模索することが目的。個人的に、ビジネスにおける女性の活躍を促すことにパッションを持っているので、今回のトピックはどんぴしゃ!という感じで、どのような話が聞けるのかわくわくしておりました。
Keynote speakersの後、様々なパネルディスカッションが用意されており、どれも面白そうなトピックだったので選ぶのに非常に迷いました。今回はそれぞれの話の中での学びを書き留めたいと思います。
- Keynote Speakers
- パネル1: Changing Dynamics of Advocating for Women in the Workplace
- パネル2: Managing Work-Life Balance
- まとめ
Keynote Speakers
今日は2名のスピーカーがお話ししてくださいました。
1人目は、Clarine Clarkさん。Three-timeというテック企業のCEO兼President。癌を克服した経験も踏まえ、女性が活躍するたには何が必要かという点をお話しくださいました。
2人目は、Lydia Gilbertさん。DIA&COというプラスサイズのファッションのスタートアップのCo-founder兼President。彼女の企業経験を軸として、どのような困難をどう乗り越えてきたかお話しくださいました。
この2人のスピーカーからの学び:
- Stop thinking that you are not good enough: 女性は男性に比べ、「この仕事をするには自分は十分な実力がない」と思いがち。まずはそのマインドセットから抜け出そう。
- Forgive others and let the past go: 過去に自分に対して嫌なことをしてきた人達を許して、過去の嫌な経験に囚われることをやめよう。
- Write your own script: 自分の人生は自分で決めよう。癌を経験され、死ぬか生きるかという局面に立たされた時でも、「自分は2人の子供達を残して死ぬわけにはいかない。なんとしてでも生き残る」と強く決め、そのために何が必要か、何ができるのかを必死で考えたことから、自分の人生の台本は自分で決めるということの大事さを感じたそうです。
- As long as you are going to the right direction, it's going to be fine. Keep going: 目標を決めたとはいえ、もちろんその中では山あり谷ありというのが現実。うまくいかないことがあっても、方向さえ合っていれば何とかなるから、とにかく恐れずに前進しよう。
- Don't forget to be kind: 人に親切にすることを忘れない。
- Choose courage over comfort all the time: 自分が心地良いと思うことを選びたくなるが、少し勇気を持って行動することが長期的な成功に繋がる。このマインドセットを持ち、行動に移すには、とにかく練習するのみとのこと。ミーティングで何が起きているかフォローできなくなった時に黙らずに、とりあえず質問してみることから始めるといい。
- Pay attention to your intuition: 自分の本能を信じよう。脳は無意識のうちに色々な情報を集めていて、それが本能に繋がっている。本能は基本的に自分に不利になるようには働かないので、本能を押し殺さずにしっかり耳を傾けよう。
- Find someone who you feel you can build trust: ネットワーキングの時には何十枚もの名刺を集めることよりも、「この人なら本当に助け合える(助けてもらうだけではなく助け合えるということが大事)」と思う人を1人でもいいから見つけよう
パネル1: Changing Dynamics of Advocating for Women in the Workplace
このパネルでは職場でどのように女性の活躍を促していけるのかというトピックについて議論が行われました。
その中で、パネリストの方々の企業で実際に取り組まれた活動もお話しくださり、非常に興味深かったです。
- 長期的に休みを取った人の復職サポート
- 良いスポンサーになるためのトレーニング
- ファミリープランニングのサポート
- 育児休暇を取る予定の人とどのような会話を持つべきかを教えるマネージャー向けのトレーニング
などなど、実際に一旦キャリアを止める必要がある人に向けたサポートに加え、その人達をサポートできるように周囲の人々もトレーニングするというのが鍵なのだなと感じました。
また面白かったポイントとしては、passiveに投資するのではなく、activeに投資することがESGの実現には非常に重要だというポイント。ESGに取り組んでいる企業・そうでない企業が混ざったインデックス投資をするのではなく、ESGに本気で取り組んでいる企業をしっかりを見定め投資することがESGを推し進めるために必要というわけです。先日のGPIFのESG投資に関するケースでもそのような話が出たので、投資がESGを推し進める上でかなり大きな役割を果たしていると改めて感じました。
パネル2: Managing Work-Life Balance
このパネルでは、ライフワークバランスについての議論がなされました。重要なポイントとして挙げられたのは、
- 自分の優先順位をしっかり決めること
- バウンダリーをしっかり決めること
- 「No」という勇気を持つこと
この議論の際に、「企業側はライフワークバランスに関して何をすべきか」という話があったのですが、この点については少し疑問が残るところがありました。1人のパネリストの方が、「基本的にライフワークバランスは個人がオーナーシップを持って管理することであるから、自分でこの企業は自分が実現したいライフスタイルに合うのかを見定めて仕事を決めるべき」という内容のお話しをされました。確かに個々のライフワークバランスの定義も違えば、どのようなライフスタイルにしたいかも千差万別なので、全ての思いを企業が受け止めることは難しいと思います。ですが、このように企業側が特にアクションを起こさずにいると、例えば現在女性比率の少ない金融などでは、女性側が例えば子供を生んだ後もここで続けるのは無理だと感じ辞めていくという流れに歯止めをかけることができないのではないかと思いました。
この点について主人と夕食をしながら話していたのですが、だからこそ企業側に今の働き方を変えるインセンティブを持たせることが必要であり、その手段の一つとして女性活躍を促しているような企業に対する投資が重要なのではないかという話になりました。
まとめ
ビジネスにおける女性の活躍も、ワークライフバランスを実現することも、どれも複雑で一筋縄ではいかないのが現実です。私達女性自身がより自身を持って、そして勇気を持って前進していくと共に、企業側もサポートを増やしていくことが大事だと改めて感じました。
特に日本では労働人口が減っていく中、女性の社会進出は「あったらいい」ものではなく「進めていかなくてはいけない」ものになっています。子育てなどを理由に一旦辞めてしまった優秀な女性をいかに取り戻すかという点についても企業はよりクリエイティブに考える必要が出てきていると思います。
男女関係なくお互いに助け合えるようなカルチャーを作ることが大きな一歩に繋がるなと改めて感じた1日でした。