ママ留学記@ハーバードビジネススクール

2歳の息子を連れ、主人と2人揃ってハーバードビジネススクールに留学している一家の記録。日々の生活の様子に加え、MBA受験の経験談や、「ワーキングマザーとしての成功」に関する考察を共有したいと思います。

MBA受験:エッセイはどう対策すべき?

MBA受験。スコアメイクを終え、次に待っているのはエッセイですね。
各スクール独自の課題となっているので、そもそもどこから手を付けていいのか、どんな内容を書いたらいいのか迷っている方も多いかと思います。

ラウンド1でアメリカのスクール6校に出願した私の経験を基に、エッセイ対策の方法をご紹介します。

 

 

1. What matters most to youから取り組む

MBA受験生の皆さんの間では既に定石かもしれませんが、Stanford Graduate School of Business (GSB)のエッセイの質問として例年出されている

What matters most to you, and why?*1

の質問から始めてみることをオススメします。

理由としては、自分のストーリーを組み立てる上での柱となるからです。

私の場合、漠然とMBAを受け始めたこともあり、何から書き始めたらいいのかわからなかったので、まずは自分にとって何が大事なのかを考え、その考えに至った過程をじっくりと考えてみることから始めてみました。

エッセイを書く上でも、自分自身の大事なことや優先順位は明確に持っておくべきなのは間違いありませんが、実際にMBA留学に来られた際にも、これらがしっかりないと結局何も学ばずに終わってしまった・・・ということになり兼ねないので、留学前に一度じっくり考えられることをオススメします。

 

2. 過去・現在・未来を繋げる

What matters most to youの答えを考える上でもそうですが、過去・現在・未来を繋げるという視点を持つことが非常に重要です。

 

例えば、私の場合、自分にとって「inclusiveness」がとても重要なことだと気づきました。(ちなみにこれは夫とカフェで話しながら徐々に気づいていきました。)

そこから、この現在の考えに至るまでにどのようなプロセスがあったのかを考えました。大学での授業、サークルなどの課外活動、仕事での経験など、「inclusiveness」というテーマに関連した経験の洗い出し。そして、各経験において、自分は何をしたのか、何を考えて行動していたのか、どのような人と関わっていたのか、何を感じていたのか、など詳細に思い出してみました。

また人生において重要な転換点となるような時に、どのような意思決定をしたのかも考えてみました。なぜそのような意思決定をしたのかをとにかく深く掘り下げてみると、その理由が自分の大事なこととリンクしていることに気がつきました。

そして、自分にとって重要なことに関連して将来何をしたいのかを考えてみました。短期的・長期的それぞれでどういったことを成し遂げたいのか。

受験生の方の相談に乗っていると、この「将来のキャリアビジョン」として何を書いたらよいのかわからないというお話しをよく聞きます。何か”かっこいいこと”を書かなければいけないのかと。個人的には、将来のキャリアビジョンとして書いている内容は何でもいいのだと思います。今の会社にいる計画でもいいし、海外で働く計画でもいいし、新しい会社を立ち上げるのでもいい。重要のは、それが自分の"What matters most to you"とリンクしていること。そこさえ押さえてストーリーとして流れればエッセイとしては良いのだと思います。MBAに来て、そのキャリアビジョンが変わるのはよくあること。書いたらそのビジョンにコミットしなければいけないということではないので、その点は柔軟に捉えるとよいでしょう。

そして最後に、それを達成するためになぜMBAが必要なのかを検討。MBAによって得られるスキル、経験、ネットワークなどがどう目標達成に繋がるのか。ここまできて、ようやく自分の中でも何故MBAに行きたいのか明確になってきたと思います。

 

何が自分にとって重要なのかという点に優劣はないと思います。別に他の人と被っていても全く問題ないでしょう。鍵となるのは、上記に示したように、過去・現在・未来の3つの点がしっかりと繋がっており、一貫したストーリーが書けているかということです。このストーリーの部分は、自分の経験に基づいて書かれるため、他の人には絶対真似できないところです。時間はかかるかもしれませんが、近道せずにじっくり考えてみることをオススメします!

 

3. ネタ作りはしっかりと

何故そのスクールに行きたいのかを書く際には「ネタ」が必要になってきます。

MBA受験:スクールビジットはするべきか?メリット・デメリットを考えた結果答えは・・・ - ママ留学記@ハーバードビジネススクールの記事にも記載しましたが、ネタ作りに最適なのはスクールビジットです。実際に自分の目で見て、その場で感じたことを志望理由に盛り込むことができると強い志望理由になります。また実際にビジットに行って、Admissionや学生と話すことができる場合、①②で考えたストーリーを軽く話して、分の成し遂げたいことを成し遂げるために、このスクールにはどのようなリソースがあるのか」という質問をすると、自分のストーリーにリンクできる具体的な授業やクラブ、その他活動などを聞き出すことができるのでオススメです。

 

またスクールビジットはできないという方は、日本で行われている学校説明会の時などに、卒業生の方に質問をしに行くことをオススメします。私も、自分のストーリーがある程度出来上がった頃に、学校説明会で卒業生の方とお話しし、自分のストーリーにリンクした質問ができたので、その方から聞いた具体的な授業名やクラブ名をエッセイに盛り込むことができました。

 

4. 他の人に読んでもらう

自分としてはストーリーがしっかりしていると思っていても、他の人が読むと一貫性がないと捉えられてしまうことがあります。それを避けるためにも他の人に読んでもらうことを強くオススメします。

私はプロのエッセイカウンセラーはもちろん、一緒に受験をしていた主人や、志望校の学生の方に読んでもらい、何度も何度も書き直しをしました。エッセイカウンセラーに関しては、コアの方を1人、HBSに関してはセカンドオピニオンを聞くためにもう1人違う方にも見てもらいました。エッセイカウンセラーによって視点がかなり違うので、第一志望校のエッセイに関してはセカンドオピニオンをもらうこともよい投資になるかと思います。

 

まとめ

スコアメイクも大変ですが、エッセイは明確な終わりがないので違った大変さがありますよね。私自身もここまで自分の人生についてじっくり考えたのは大学受験時に帰国子女枠で受けたエッセイについて考えた時以来だったのではないかと思います。新卒の就職活動の時よりも確実に多くの時間を使って自分の人生について考えたと言い切ることができます。

「こういうことを書いたら印象がいいのではないか」という学校起点で内容を考えるのではなく、自分起点で自分にしか書けない内容を考えてみることが必勝法です。

締切までの時間も限られて焦るかもしれませんが、一度立ち止まってじっくりと考えて、いいエッセイを書いてくださいね。