ママ留学記@ハーバードビジネススクール

2歳の息子を連れ、主人と2人揃ってハーバードビジネススクールに留学している一家の記録。日々の生活の様子に加え、MBA受験の経験談や、「ワーキングマザーとしての成功」に関する考察を共有したいと思います。

コロナウイルスによるMBAへの影響は?

アメリカもそろそろ危ないんじゃないか。

 

そんな雰囲気が漂い始めたのは、3月頭頃。
それまでは「コロナはアジアのもの」という認識が強くあり、アメリカはそこまで大変なことにはならないだろうという楽観的な雰囲気がありました。

 

しかし3月に入りアメリカでも感染者が少しずつ増え始め、いよいよこれはパンデミックになるというパニックが始まりました。

 

今回は、今日に至るまでのボストンの様子やハーバードの対応、そして私達の生活などについて記載しようと思っております。

 

 

ボストンでの動き

2月下旬から3月頭はまだまだ問題なく、スーパーでの欠品など一切なく、いつも通りの日常がありました。

 

ところが一転、3月の1週目が過ぎたあたりになると、段々と欠品が目立つようになります。Amazonや薬局で普通に売っていたPurellなどの消毒液、アルコール除菌のできるウェットティッシュ、トイレットペーパーなどが徐々に欠品になり始めました。そんな中、中国語の書かれたアルコールティッシュなどがAmazonで高値で売られ始め、日本でも問題になっている転売ももう始まったと驚きました。

 

そして先週辺りになると、我が家がいつも使っていたInstacartやPrime NowによるWhole Foodsからのデリバリーサービスも需要が急激に増加し、デリバリーのスロットが全くない状況。金曜日にオーダーして月曜日にやっと届けてもらえるくらいの状況になってしまいました。且つ、パスタ、トマト缶、ツナ缶など日持ちのする商品の欠品が目立ち、実際の店舗でもかなり物がなくなっている印象でした。

 

ハーバードの対応

そんな中、ハーバードは先週、学部生に対しキャンパスからの退去を指示します。学生寮に住む生徒は全員強制的に寮を出なければならないということでパニックになったと思われます。

 

一方、ハーバードビジネススクールの方はというと、色々な決断がゆっくりと取られていったという感じです。

3月3日 FGI全てを中止にすることが決定
3月10日 HBS全ての授業を春休み明けの23日からオンライン化、春休みまでは通常通り教室での授業を行うことが決定
3月12日昼 MD/MBAのダブルディグリーを取得しようとしている学生達が学校側に今すぐにでもオンライン化するようメールで要請
3月12日夜 翌日13日から授業をオンライン化することが決定

そしてキャンパスからの退去については、「推奨」するものの、強制的に退去させることはなく、オンライン授業をどこで受けるかは個人の判断に委ねるということになりました。

 

3月の2週目からは、教室で授業を受けたくない人については「Excused Absense」を取得し、自主的に授業を休むことも認められましたが、多くの人がまだ普通に授業に来ていました。また100人以上の集会については中止するように指示が出て、この間予定されていたいくつかのカンファレンスもキャンセルに。

 

このようになるべく大勢の集まりを避けるように言われている中、夜にクラブやカラオケなどで学生の多くが集まっていたという情報もあり、セクションの中でも「こういう中でもいつも通り友達と遊んだり普通に過ごしたい」という人と、「コロナを抑えるために最善を尽くすべき」と考える人の間でテンションが生じ始めました。ただセクションのプレジデント及びリーダーシップポジションにいる人も絶対的な権力を持っているわけでもなく、学校側もこういった学校外の活動について制限を設けなかったため、結局誰も学校外の活動についてコントロールされずじまいでした。

 

HBSの対応に対して

正直今回のHBSの対応は非常に残念だったとしか言えません。


GSB、コロンビアなど他のスクールがオンラインに早々に移行し始めた中、HBSはぎりぎりまで教室での授業にこだわりました。ケースメソッドに基づくユニークな授業であるため、他のスクールに比べオンラインへの移行が簡単ではないことは理解できます。実際にオンラインに移行すると発表があった時には、教室での経験を再現できるはずがない・・・と多くの学生が落胆したのも確かです。しかし、その対応の遅さから、学生に対し「コロナはそこまで危なくない」というような間違ったシグナリングを出してしまったような気がしており、そのため夜遊びなどの学校外での活動にも歯止めがかけられなかったのではないかと思います。

 

また今後どのような方針を取っていくのかというコミュニケーションもひどいものでした。毎日違う部署からコロナウイルスに関するメールが2-3通が届き、そもそもどの情報を読めばいいのか、信頼すればいいのか、学生は戸惑うばかりでした。その後ようやくメールが一本化されましたが、メールがばらばら届いていたことからもわかるように、コロナウイルスの拡大に向けてどのように対応していくかHBS全体で一つとなって考えられていなかったことが浮き彫りとなってしまいました。

 

今後はどうなるのか?

今後、私達家族はボストンのキャンパス内にある自宅に残り、自宅から授業を受けることを決めました。一旦出国すると戻ってこられないリスクが大きいのと、そもそも引っ越しすることの労力がものすごくかかるからです。

 

友人の多くは帰国したり家族の元へと帰って行ったり、次々とボストンを離れていっています。私のセクションでは大体ボストンに残る人とそうでない人で半々というところです。寮に住んでいたもののボストンを離れることにした友人5人分のちょっとした荷物を自宅で預かってあげたり、逆に退去するにあたって不要になった食品や日用品をもらったりと、ここ数日で家の中にものがたくさん増えました(笑)

 

息子の保育園は今日から30日まで一時的に閉鎖することに。春休み明けは学生のママ友と相談して、ベビーシッターさんをシェアしようという話を進めています。保育園の閉鎖がいつまで続くのか、またその間の保育料は返金されるのか、わからないことだらけで心配はつきませんが、今のところ息子は元気いっぱいなのでどうにかなるだろうという明るい気持ちでいようと思います。

 

オンライン授業自体はまだ一度しかなく、且つ授業というよりはうまく動作するかの確認という感じだったので、春休み明けに本格的に始まってからのお楽しみというところです。教授、学生どちらも慣れない中でのスタートとなるので、期待値はそこまで上げず、最低限できればいいかなと思っております。

 

まとめ

コロナの拡大によって今回授業がオンライン化されることになりましたが、教室で授業をしないというのはHBSにとって1945年の第二次世界大戦後以来初めてのことだそうで、如何にこのパンデミックの影響が大きいかを物語っています。

 

1年生はセクションとして過ごす最後の数カ月を、そして2年生はHBSで過ごす最後の数カ月と卒業式を突然失ったわけで、悲しい気持ちがあるには変わりありませんが、逆にHBSとして直面している大きなチャレンジに当事者として立ち向かえているのは長期的に見たらいい経験になるのかもしれません。

 

この秋からMBAを始めるという方々は入国できるのか、授業体系はどうなるのかなど不安がさらに募っているかと思いますが、「きっとどうにかなる」というポジティブな気持ちを忘れないことが大事な気がします。引き続きボストンの様子を記載していこうと思いますので、是非それらも合わせてチェックいただければと思います。

 

大変な時こそポジティブに、そしてEmpathyを忘れず日々過ごしていきたいと思います。