ママ留学記@ハーバードビジネススクール

2歳の息子を連れ、主人と2人揃ってハーバードビジネススクールに留学している一家の記録。日々の生活の様子に加え、MBA受験の経験談や、「ワーキングマザーとしての成功」に関する考察を共有したいと思います。

ママと教授の両立

今日は9時から16時のISDLという授業があり疲れ果てていたものの、少し頑張って教授のOffice Hourに顔を出してみました。クラスでの自分のパフォーマンスがどうか心配だったので、ちょっと行ってみることに。

振り返ると、大学生の時は教授と1対1で相談するみたいなことはほとんどなく、アポもなしに15-18時で設けられているOffice Hourにふらっと顔を出せば1対1で話せるのはオープンな文化だなとしみじみ思いました。教授との距離感がないのはアメリカの大学のいいところなのかもしれません。

授業自体のフィードバックを聞きに行くのが第一目的だったのですが、第二目的として、その教授がいかにママ業と教授業を両立されているのかを聞いてみたいということもあり、せっかくの機会なので思い切って聞いてみたら、とても素敵なお話を聞くことができました。

彼女が大事にしているのは主に3つのことでした。

1. Boundaryをしっかりと決めること

日々の仕事に追われていると子供や家族と過ごす時間がずるずるとなくなってしまうので、彼女の場合は、「どんなに忙しくても夜ご飯は家族みんなで食べる」「子供が寝る前には絵本を読み聞かせる」「日曜日には子供と過ごす時間を取る」ということをルールとして決めているそうです。このBoundaryがあることによって、確かに溜まった仕事をどこかで挽回しなければいけないことになるものの、大事な家族との時間を担保するためにはこのBoundaryは欠かせないと仰っていました。

2. 子供とのQuality timeを過ごすこと

平日は仕事に追われ、休日は家事に追われる中で、子供としっかり向き合う時間がないと感じた彼女は、必ず週末に少なくとも3時間は他のことは一切せずに、子供のことだけを考え、子供としっかり向き合う時間を作ったそうです。また時には、「子供がしたいことをする日」を作り、一日中お子さんが立てたプランに沿って過ごす時間も作ったそうです。こうすることによって短い時間でも質の高い時間を過ごすことができるようになったと仰っていました。

3. 短期計画と長期計画をしっかりと立てる

短期計画という意味では、例えば朝の準備の時間をしっかり立てることもここに含まれます。彼女の場合は、15分余裕ができる形でお子さんを起こすことによって、朝ばたばたして子供を急かすことをしなくてよくなり、一日中「今日もばたばたして子供にきつく当たってしまった・・・」という罪悪感を感じずに過ごせるため、そういった小さい計画の重要性を仰っていました。

長期的な計画としては、キャリアを考える上でも、本当にやりたいことは何なのかを軸に考えることが大事とのこと。仕事をするということはつまり子供との時間を削ることになり、つまり仕事をする時間の裏には子供と過ごせなくなるという機会損失があるわけです。そのため彼女の場合は、その機会損失を上回るだけの意味のある仕事だけをすると決めているそうで、それが実現できるような長期計画を立てることが大事とのことでした。

 

子供との時間をしっかり確保しようと思っていても、「あ、ケース読まなきゃ」となって質の高い時間を過ごせていない気がしていたところだったので、このお話を聞いて、日々の過ごし方を改めようと感じさせられました。
また、HBSの教授をやられながらお子さんも育ててらしてすごいなと思った一方で、日々感じる子供に対する罪悪感や、仕事と家事以外の時間はなくて大変ということなど、私も日々感じていることを思ってらっしゃり、外から見るとすごいと見えるワーキングマザーもある意味「普通の人間、普通のママ」なんだなと改めて考えさせられました。