ママ留学記@ハーバードビジネススクール

2歳の息子を連れ、主人と2人揃ってハーバードビジネススクールに留学している一家の記録。日々の生活の様子に加え、MBA受験の経験談や、「ワーキングマザーとしての成功」に関する考察を共有したいと思います。

"日本代表”として

"So, Kanako, please tell us what Japan was like from 1980s to now"

 

今日のマーケティングの授業は、無印良品のケース。日本企業のケースだったので、発言できる可能性は高いと思い、前夜、無印のブランドのイメージやマーケティング戦略などについていつもよりもしっかり目に準備をしていました。

授業の冒頭で、教授が「今日は日本企業のケースで、幸いにもクラスに日本人がいるから、色々議論した後で日本の目線からの意見を聞きましょう」と仰ったので、クラスメイトの議論を聞きながら、日本目線でどんなコメントができるか考えていました。どの製品が「無印らしい」のか、そもそも「無印らしい」とは何なのか、時代と共に「無印らしさ」はどのように変化したのか。このような議論が40分くらいされたところで、本記事冒頭の質問が私に飛んできました。

ニトリやユニクロなど、他の企業が出てきている中で、日本の一顧客として無印のブランドの捉えられ方についてコメントしたらいいかなと議論の流れを聞きながら考えていたので、ここまでマクロ的な質問が来るとは想定できていませんでした。他のクラスメイトがどう捉えたかはわかりませんが、個人的には結局ものすごくハイレベルな答えだった気がして、授業後に「あぁ、これも言ったらよかったな。あれも言えばよかったな。」と反省モード。そして、セクションの中の唯一の日本人として、

私が「日本代表」である

ということを痛感した瞬間でした。

 

今までただの日本人だった私が、HBSにきてセクション内の「日本代表」になったわけですが、それを痛感したところで思ったのが、

「私は日本のことをしっかりと知らないのではないか」

ということ。

大学入学と共に日本に帰国して以来、約10年も日本に住んだので、普段の生活で困ることなどはもちろんありませんし、仕事で自分の携わっていた業界についての理解はあると思います。ですが、その枠から出た瞬間に、「あれ、私、日本についてそんなに知らないかも」となることに気づきました。

日本で暮らしていると、「自分が日本人」という意識はほとんどありません。なので「日本について理解しよう」とか、「日本人としてこの課題についてどう考えるのか」という視点を意識的に持つことはあまりなかったのでしょう。

もちろん「日本人としての視点」だけが、セクションに与えられるバリューではありません。仕事上の経験の方が、役に立つことの方が正直多いかもしれません。ただ、「日本代表」として見られることになった今、改めて「日本」という国をしっかり理解する必要があるなと感じました。そして多分それは、今後日本以外の国で働くことになった時にも必要になることでしょう。

自分の発言はあまり満足のいくものではありませんでしたが、知っている日本企業について議論するのは面白かったし、自分の国の企業がHBSのケースになっていることに対して誇らしい気持ちにもなった1日でした。