ママ留学記@ハーバードビジネススクール

2歳の息子を連れ、主人と2人揃ってハーバードビジネススクールに留学している一家の記録。日々の生活の様子に加え、MBA受験の経験談や、「ワーキングマザーとしての成功」に関する考察を共有したいと思います。

人生の「成功」とは

HBSでは卒業後10年、20年後の同窓会の際に、その時点での自分の人生について書き出し(Memoir)、クラスメイトに共有するそうです。先日、LEADの授業で、卒業から10年後を想定し、自分自身のMemoirを250文字で書くという課題が出されました。それに加え、過去の卒業生6名ほどのMemoirを読み、彼・彼女らの人生がどれほどの成功を収めていたのかを考えるという課題も与えられました。

クラスでは3人グループになりそれぞれのMemoirを共有したり、過去の卒業生の人生における共有点・違いなどを議論したりし、「やはり家族がいかに人生において大事か」といった話が多くでました。子供を持つ身としては、それは日ごろから身をもって感じていることなので100%共感していたのですが、それ以上に何かあるのではないかという気持ちも持ちつつ議論を聞いていました。そんな中、議論の後半で教授が以下の質問を投げかけました。

”人生の「成功」とは何なのか”

非常に難しい質問。そして個々人によって答えの違う質問。
授業の中では、「自分にしかできないことを見つけられること。それは仕事でもいいし、家族の中での役割でもいいし、なんでもいいが、とにかくこれは自分にしかできないということを見つけられれば、それがやりがいになるし、幸福にもつながる」という趣旨の発言してみました。

その後、クラスメイトの「意外とHBSの卒業生も"普通"で、"Leaders who make a difference in the world" (HBSのミッション)とはかけ離れている」という発言や、それに対して「家族と幸せになることは"成功"としては小さすぎる(too small)なのか?」という教授の投げかけ、「専業主婦もものすごく大変だし、やりがいのある仕事」という友人の言葉など色々考えながら、今の自分にとって人生の「成功」とは何なのか再度考えてみることにしました。

そして今時点の結論としては、

「人生の成功とは、誰かの人生にプラスの影響を与えることができたということ」

という考えに達しました。

この考えの背景としては以下のような思考プロセスがありました。

  1. 人生には色々なシチュエーションがあるので、色々なシチュエーションを考えてみて共通点を見つけてみよう
  2. 大企業の社長になったら成功したと思う人は多いだろうが、それはなぜか?お金、名声、権力?それももちろんあるかもしれないが、それだけあっても何か欠けている気もする。やはり多くの従業員、顧客等、様々な人の人生に影響を与える立場であるから成功したと捉えることはできないか?
  3. 専業主婦・主夫としても人生において成功することはできるが、それはなぜか?上記の社長のケースに比べ、こちらにはお金、名声、権力などはない。それでも成功と言えるのは、自分の子供に多大な影響を与え、1人の人間をゼロから育て上げたからなのか?そしてその子供が将来的にさらに社会に影響を与えることができれば、この母親・父親の影響力は長期的にも価値があると考えることはできないか?
  4. 一般的な会社員であった場合どうか?昇進しなかったら人生で成功したとは言えないのか?いや、自分の会社の同僚・後輩であったり、自分の家族であったり、自分の友人であったり、誰かの人生にとって何かしらのプラスの影響が与えられたらそれはその人の幸福=成功と言えるのではないか?

これはあくまでも私の今時点での答えです。私はおそらく他の人との関係性をかなり重視する人間(例えば、仕事も内容よりもどういう人と働きたいかを重視する等)なので、こういう答えにありついたような気もします。「人の役に立つことができたら幸せ」という今の私の価値観が強く出たものだと思います。おそらく5年後、10年後になったらこの答えは変わっているかもしれません。でも、今回のLEADの授業やその後の振り返りによって自分の人生におけるプライオリティーが以前よりもクリアになり、良い経験だったなと思いました。

 

みなさんにとっての「成功」とはなんでしょうか?