コミュニティー作りは自分をさらけ出すことから始まる
RCと呼ばれる我々1年生向けの
STARTという3日間のプログラムが終わりました。
カリキュラムの説明、ケース授業など諸々ありましたが、
一番印象に残ったのは、
「どのようにして良いコミュニティーを作っていくか」
というトピックに焦点の当たったセッションでした。
なぜCommunity buildingが大事なのか?
前の記事に記載したように、ハーバードビジネススクール(以下HBS)では、
約90名で構成される「Section」と呼ばれるグループで授業を受けることになります。
HBS特融の「ケース授業」では、教授がレクチャーするのではなく、
各生徒の発言によって授業が進められるため、
この「Section」としてのコミュニティーの在り方が
より良い学びを得るためにも非常に大事となってくるのです。
また特にビジネススクールとなると、
国籍、学歴、職歴、家族構成、Sexual orientation、など、
様々なバックグラウンドを持った人が集まってきています。
その多様な90名強が同じ教室で議論を繰り広げるには、
そのコミュニティーがある意味「安全」である必要があるのでしょう。
Reciprocity Ring
Community buildingに関連したセッションの中で、
特に面白いと感じたのは「Reciprocity Ring」というものでした。
これは20人くらいのグループに分かれ、
- 自分にとって意味のある成し遂げたいことを
達成するための依頼をし、他者から助けを得る - 自分以外の人の依頼を聞き、助けを申し出る
という非常に単純明快なエクササイズです。
依頼としては、例えば、
「この業界で働きたいから、その業界で働いている人を紹介しほしい」
というプロフェッショナル色の強いものから、
「結婚式にこのアーティストに来てほしい」
というプライベート色の強いものから、
「一緒にご飯を食べに行ってほしい」
というかなり日常的なものまで幅広い依頼が見られました。
(ちなみに私は、子供連れの学生に対して
保育園やベビーシッター等にかかる費用をサポートするシステムを
作ることに協力してほしいという依頼をしてみました。)
このような依頼に対し、
「自分はこういう面で手助けができる!」
と思えば、小さな紙にどのように手助けができるのか
を記載するというシステムです。
このエクササイズからの学びは何か。
それは、
「コミュニティーを作る上で何が大切か」
ということだったのではないかと思います。
まだ知り合って3日程しか経っていないような人に対し、
自分の要求を伝え、それに対する助けを得るという
普通ではあり得ない状況を経験し、
そのエクササイズから自分達のSectionの在り方に
どのような変化が出たのかを体感することによって、
コミュニティー作りに大切な以下のポイントを学べたのではないでしょうか。
- お互いの違いを理解すること
- お互いを尊敬し合うこと
- お互いを助け合えること
また上記に加え、私が一番大事だと感じたのは、
本当の自分をさらけ出すことでコミュニティーは強くなる
ということでした。
違いを理解するにも、尊敬し合うにも、助け合うにも、
まずは「自分はこういう人間だ」ということを
さらけ出すことが必須なのではないかと思ったのです。
もちろん本当の自分をさらけ出すことは、
自分の弱い部分もさらけ出すことになるため、
なかなか簡単にできることではありません。
ですが、自分の弱さを見せることができる、
「Vulnerableになれる」ということが、
強いコミュニティーを作るためにも、
そして自分自身が強くなるためにも、
非常に大事なのだなと感じました。
どれだけ本当の自分をさらけ出せるのか。
どれだけ強いコミュニティーを作れるのか。
この先のお楽しみとなりそうです。